2020年(令和2年)
4月30日(木)
月末である。COVID-19の猛威は止まることを知らず、未だ予断を許さない状況が続いている。研究室の活動もこのままでは麻痺状態に陥るため、何とかメンバーの情報交換、研究進捗状況の確認等を実施するためにskypeでのコミュニケーションを研究室内で可能にした。これによって非接触でコミュニケーションがある程度可能になる。COVID-19の影響が本国で深刻化してから1ヶ月強経過した。人類が感染症に対してこれだけ脆弱であるとは思いもよらなかった。本当に無知である….。自分は世界史が好きなこともあり、今回のこの感染症に直面して、14世紀に欧州を席巻した黒死病(ペスト)と重複してならなかった。この期間、「ペスト」:アルバートカミュ(著)を再読、そして「史上最悪のインフルエンザー忘れられたパンデミック」:アルフレッド・W・クロスビー(著)も興味が湧いて読む。読書には最適の期間である。現代の行き過ぎたグルーバル化についても再考する良い機会である。歴史から学ぶ教訓は深遠で極めて多い。
GW明けから「非接触」の研究室研究活動、ならびにオンライン講義を今後充実させていきたい。
4月3日(金)
新型コロナウイルスの影響はどこまで拡がり、続くのでしょうか?全く予断を許さない状況が続いています。本学も学年歴開始が4月20日(月)からとなりました。本県は国内でも数少ない感染者ゼロ件(県)です。しかし巷では「時間の問題でしょう…」という声が耳に入ってきます。なんとかこの苦境を乗り越えて(持ち堪えて)、収束してほしいものです。この学年歴変更以外にも私にはとっても辛い決断が下されました。それは「課外活動施設の利用禁止」です。本学の体育館、グランド(運動場)が5月10日(日)まで使用禁止となりました。これも背に腹は変えられない….。昼サッカーも当面は活動停止。
しかしそんな時に限ってこの晴天。グランドの状態も良い….。鳥も楽しそうに囀っている。そろそろ桜も開花し始めた…..。気候は暖かくなり、着々と春を迎えているのに、今年はなんとも寂しい4月になりそうだ。
我々はどうしても9年前の震災後の時と重なってしまう。当時は学年歴を一ヶ月遅らせて対応した。(夏休みを一ヶ月短くした)その時も人間社会は大混乱に陥っているのに、鳥は歌い花は咲き乱れ…、いつもの春を迎えていた。今回も当時と同じ詩(うた)が脳裏に浮かぶ….。
春望 (杜甫)(一部抜粋)
国破れて山河在り
城春にして草木深し
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1200年以上前の古人と同じ思いを抱くというのはなんと情趣に富んだことであろう….。「人の行いや思いは時と共に消えてしまう。しかし自然はそれに関係なく営みを繰り返し残り続けていく」…..今回の新型コロナウイルス感染に関しても人間社会では衝撃が極めて大きく、甚大な影響を及ぼしているのは確かであるが、人間の平均寿命よりはるかに長い時間スケールで見れば、自然の中のほんの一部の事象に過ぎないのかも知れない。
時代の変遷とともに、世の中が成長しどれだけ物質的に豊かになったとしても、人の考え方、精神はさほど変わらないことを改めて確認した今日この頃である。
新型コロナウイルスの早期収束を心から願ってやまない。